【専門医解説】3ステップ!便秘に負けない腸内フローラの育て方

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こんにちは!医師で、スッキリ研究室長の「ゆん」です。
消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、認定内科医等、主におなかの専門医として働いています。

この記事で「あなたの便秘への向き合い方」が大きく変わります。

なぜなら、あまり深く考えずに薬を飲んで、その場しのぎの便秘治療をしている人があまりにも多いからです…。あなたはそんなことないですよね笑?ドキッとした人は是非最後までお読みください。

そんなことないよ!というあなたも、役に立つ内容を散りばめていますので、是非参考にしてくださいね!
外来の患者さんにも本文のようなお話しができれば良いのですが、診療時間的に厳しいのが実情です…。この記事を読んでもらう方が早い、と思っている今日この頃です。

担当の患者さんにも自信を持ってお勧めできる。

そんな非常に濃い内容となっています!

この記事は以下のような人に向けて作成しました。

  • 薬に頼らず便秘を治療したい人
  • 便秘だけど腸活にも興味がある人
  • 便秘を根本から解決したい人

この記事で次のことがわかります。

  • 「腸内フローラ改善」の具体的な方法
  • 「腸内フローラ改善」が「便秘の改善」につながる理由
  • 「腸内フローラの奥深さ」

先に結論をお話しします。

結論

便秘に負けない腸内フローラを育てるには、「プレバイオティクス」および「プロバイオティクス」を適切に摂取すれば良いのです。

注)便秘の種類によってはこの記事での便秘解消が当てはまらない人(便秘型過敏性腸症候群の人)もいます。自分の便秘のタイプを把握してみましょう(関連記事↓↓↓)

それでは解説していきます。
手っ取り早く何をすれば良いか知りたい人はスキップしてください。

目次

【便秘解消ステップ1】腸内フローラを完全に理解する

まずは「腸内フローラとは何か、その役割とは何か」について理解しましょう。

腸内フローラってよく聞くけど、実際よくわかってないかも。

テレビCMなどで耳にしたことがあるかもですね。わかってしまえば一生使える知識になります!

腸内フローラとは?

腸内の細菌たちは、人間が食べたものをエサにして、互いに競い合い、助け合いながら生きる「生態系」を作っています。この生態系を「腸内フローラ」と呼びます。

フローラとはお花畑のこと

フローラという言葉は、ラテン語で一面に咲き乱れる花々、すなわち「お花畑」を指す言葉です。私たちの腸内に実際にお花畑が広がっているわけではありませんが、多種多様な微生物が生息している様子を表現するためにこの言葉が用いられます。

100兆個

私たちの腸にびっしりと張り付いた腸内の細菌たち。その数約100兆個と言われています。総重量は実に1.5kg以上といわれ、大便の3分の1は腸内細菌の死骸が占めています。普段あまり意識しませんが、私たちの腸にはそれくらい膨大な数と量の腸内細菌が生息しているのですね。

腸内フローラは「私」の一部

腸内フローラは私たちの食事を消化し、免疫力を保つために必要なモノをつくるなど、私たちの生命活動に深く関与しています。ですから、腸内フローラは私たち自身の一部と言ってもよいでしょう。先ほど腸内には約100兆個もの細菌が生息しているとお話ししましたが、これは私たちの体の細胞数(60兆個)を超える数です。私たちの腸内には、私たちを構成する細胞よりも多い細菌が住んでいるのですね。言うなれば、「本当のわたし」とは、「わたし」と「わたしの腸内細菌」を合わせて「本当の私」なのです。

100兆個って途方もない数ね。

是非彼らのことを考えるキッカケにしてくださいね!

善玉菌、悪玉菌、日和見菌

腸内フローラを構成する細菌は約1000種類と言われています。これほど種類の多い細菌群ですが、その働きによって善玉菌、悪玉菌、日和見菌の三つに大別することができます。

善玉菌(全体の2割)

善玉菌とは、ビフィズス菌や乳酸菌など、私たちの健康を支える役割を果たす菌のことを指します。テレビのCMなどで、よく耳にするお馴染みの菌たちですね。善玉菌は、食べ物の消化・吸収を助けたり、免疫力を高めて感染症を防いだり、ビダミンを作ったり、腸の運動をスムーズにしたりなど、多彩な作用があります。名前の通り、働き者のいいヤツです。

悪玉菌(全体の1割)

一方、ウェエルシュ菌、大腸菌(有毒株)、ブドウ球菌などの悪玉菌は、私たちの健康を害する可能性がある菌のことです。腸内を腐敗させたり、発がん物質などの毒素を作り出したりして、老化や病気の原因となります。しかしながら悪玉菌が全くいない方がいいわけでもないようです。人間の体はうまくできていて、程よいバランスが大切です。悪玉菌といっても、腸のバランスがいい状態に保たれていれば大人しくしています。もし、悪玉菌が腸環境にとって害を及ぼす病原菌だとしたら、既存の菌がよってたかって排除しようとするはずです。一説には、善玉菌では腸から追い出せない病原菌を、悪玉菌が処理してくれたり、悪玉菌が生み出した代謝物の一部が、善玉菌のエサになっていたりと、持ちつ持たれつの関係性があるようです。悪玉菌は腸内の用心棒的なポジションなのかもしれませんね。

日和見菌(全体の7割)

大腸菌(無毒株)、連鎖球菌などの日和見菌は、環境の変化に応じて善玉菌になったり悪玉菌になったりするどっちつかずの菌のことを指します。数が多く、菌全体の7割ほどを占めるため、腸のバランスのカギを握るのは実はこの日和見菌だったりします。

加齢よる腸内フローラの変化

腸内フローラの勢力図は、さまざまな要因で刻々と変化します。とりわけ大きい要素が「加齢」の影響です。年齢を重ねると、悪玉菌が増えて善玉菌が減り、老年期になると乳児期に100億個以上あったビフィズス菌(善玉)が、1億個ほどに減少してしまうと言われています。減ってしまったビフィズス菌に代わって、悪玉菌がどんどん増殖してしまいます。年をとると便秘になったり、便臭が強まったりするのはそのためです。

善玉菌って全体の2割しかいないのね。

そうです。腸内ではマイナーな存在ですが、めちゃ優秀なあなたの相棒なんですよ!

スーパー善玉菌

善玉菌の中には、私たちの生活を一変させるパワーを持った善玉菌が存在します。これらの超優秀な善玉菌を、ここでは「スーパー善玉菌」と呼びましょう。詳しく解説していきます。
*スーパー善玉菌=バクテロイデス門など 分類としては善玉菌優位の時に増える日和見菌

日本人に長寿が多い理由の一つ

2020年の日本人の平均寿命は、女性が87.74歳、男性が81.64歳で、いずれも過去最高を更新し、女性は世界1位、男性は2位となりました。日本人が世界有数の長寿を誇る理由には色々な事柄が絡み合っていますが、その中でも最近注目されているのが、日本人特有の「長寿型腸内フローラ」です。この長寿型腸内フローラにはある特徴があり、その特徴を調べた面白い研究がありますので、ここで紹介させていただきます。


全国平均の約3倍もの100歳以上の長寿者が存在することで注目を集める京都府京丹後市。ここに住む元気な高齢者の腸内フローラには、「スーパー善玉菌」とも称される短鎖脂肪酸を産生する菌が豊富に存在することが明らかとなりました。細かい内容は端折りますが、要は短鎖脂肪酸をつくるスーパー善玉菌が腸内にたくさんいると、長生きできるんだ、ということです。
興味がある方は是非原文をご覧ください。
Naito Y, et al. J Clin Biochem Nutr. 2019 Sep; 65(2):125–131.

キーワードはスーパー善玉菌が作り出す、短鎖脂肪酸です。後に便秘解消へ話をつなげるための重要な言葉になりますので、以下で丁寧に解説していきます。

短鎖脂肪酸

脂肪酸とは、油脂を構成する成分の一つです。小さな「炭素」がいくつか繋がった、鎖のような形をしています。炭素が6つより少ない数で繋がったものを「短鎖脂肪酸」と呼びます。短鎖脂肪酸は色々な酸の総称です。酢酸やプロピオン酸、酪酸などが短鎖脂肪酸にカテゴライズされます。先ほども触れましたが、酢酸やプロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸は、スーパー善玉菌によって大腸でつくられています。つくられた短鎖脂肪酸の大部分は、大腸の壁から吸収されて、新しい細胞をつくったり、粘液をつくったり、水やミネラルを吸収するためのエネルギーとして使われます。また、一部は血液に溶けて体のいろいろなところに運ばれ、肝臓や筋肉、腎臓などでエネルギーや新しい脂肪をつくるための材料として使われています。
こうした働きをする短鎖脂肪酸ですが、違った切り口の働き方もしています。短鎖脂肪酸は文字通り、酸ですので、腸の中を少し酸性に傾ける作用があります。酸性の環境は悪玉菌にとって都合の悪い環境なので、悪玉菌の増殖を防ぐ効果があります。さらに、大腸の壁を刺激して腸の動きを良くする働きも明らかとなっています。そう、大腸の動きが良くなる…!つまり、便秘改善につながるのですね。だんだんと話がテーマにつながってきました。

以上が、腸内フローラについての基本的な知識となります。

「スーパー善玉菌」が「短鎖脂肪酸」をつくって、私たちを健康にしてくれているのね。しかも便秘にもいいなんてステキ。

その通り!理解して、便秘知らずの腸を目指しましょう。

これまでの知識をもとに、ここから便秘に負けない腸内フローラの育て方について具体的に説明していきます。

【便秘解消ステップ2】腸内フローラを育てる

私たちの健康を左右する重要な役割を果たしている腸内フローラ。ひしめき合う細菌たちは、私たちが口にしたものを腸内でせっせと分解し、エネルギーや栄養素をつくっています。腸内の環境次第で良いこともすれば悪いこともする。そんな繊細且つ大事なパートナーなのでした。

では実際、腸内フローラ適切に育てるには何を目標にすれば良いのでしょうか。

スーパー善玉菌を増やすことが目標

前項ではスーパー善玉菌という特殊な菌のお話をしました。この菌は、単鎖脂肪酸をつくることができる特殊能力を持っているのでしたね。また、元気な100歳の腸に多い、長寿の菌でもありました。今回のテーマである便秘解消に関していえば、単鎖脂脂肪酸には腸の動きを良くする力があるのでした。大事なのでもう一度いいます。「単鎖脂肪酸には腸の動きを良くする力がある」。腸の動きが悪いことが便秘の主な原因です。つまりは、単鎖脂肪酸が増えれば便秘はよくなる、さらにいえば、単鎖脂肪酸をつくるスーパー善玉菌が増えれば便秘はよくなる、という構図が成り立ちます。ざっくりいうと、便秘に負けない腸内フローラとは、スーパー善玉菌が多い腸内の環境を指すことになるでしょう。テーマの便秘に負けない腸内フローラの育て方とは、スーパー善玉菌の増やし方と言い換えることができます。目標を「スーパー善玉菌を増やすこと」とし、どうすればスーパー善玉菌を増やすことができるのか、詳しく解説していきます。

まずは便秘解消のカギ、短鎖脂肪酸を深掘りしましょう。酢酸、プロピオン酸、酪酸などをまとめて短鎖脂肪酸と呼びますので、この後、それぞれの酸について詳しく解説します。

酢酸

酢酸は、私たちの腸内で最も多くつくられる短鎖脂肪酸の一つです。私たちが普段から口にしている、お酢にはこの酢酸がたくさん含まれています。お酢はすっぱいですから、イメージしやすいと思うのですが、酢酸は腸内を酸性にする力に富んでいます。腸内環境を弱酸性に保つことで、善玉菌が生きやすく、悪玉菌が増えにくい環境を作ることができます。また、腸の動きを良くする作用があります。…あ!!
そうです。酢酸には腸の動きを良くする作用があるのです。便秘の人は多かれ少なかれ腸の動きが悪いので、便秘改善の糸口となるのはこの酢酸ということになります。

他の短鎖脂肪酸についても見ておきましょう。

プロピオン酸

プロピオン酸も腸内で生成される短鎖脂肪酸の一つです。肝臓でのコレステロールの生成を抑える働きがあると言われています。この作用により、血中のコレステロール値を良い状態に保つことが期待できます。また、過剰な食欲を抑える働きも認められており、「究極のやせ薬」として注目されています。

酪酸

酪酸も短鎖脂肪酸の一つです。酪酸は大腸の細胞のエネルギー源となり、腸の壁を丈夫に保ってくれます。また、免疫機能に働きかけ、食物アレルギーや過剰な炎症反応がおこらないように調整する働きも担っています。

スーパー善玉菌がつくりだす短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)が私たちの健康にとって、とても良いモノであることがお分かりいただけたでしょうか。では具体的にどうすれば短鎖脂肪酸をつくりだすスーパー善玉菌を増やすことができるのか。本題に移っていきます。

色々覚えることが多くて大変…。

シンプルに「スーパー善玉菌を増やす→便秘が良くなる」と考えましょう。

強いフローラの具体的な作り方

便秘に負けない腸内フローラを作るためにスーパー善玉菌にエサをあげましょう。「エサをあげる」といっても、庭木を育てるのとはワケが違うし、なんだか雲を掴むような、そんな話に聞こえてしまいます。でも安心してください。庭木に水を与えるよりももっと簡単です。普段食事を摂るように、スーパー善玉菌のエサとなる食品をあなたが「食べれば良い」のです。エサとなるのは「プレバイオティクス」です。育成のサポートとして「プロバイオティクス」も加えていきます。「プレバイオティクス」、「プロバイオティクス」って…?聞きなれない単語だと思いますので、それぞれについて解説します。

プレバイオティクス

プレバイオティクスは英国の微生物学者Gibsonによって1995年に提唱された、プロバイオティクスの前(pre)にあるもの、という意味でつけられた造語です(プロバイオティクスについては後で説明します)。

プレバイオティクス=食物繊維+難消化性オリゴ糖という図式が成り立ちます。まずは食物繊維から説明します。食物繊維の定義は「人間の消化酵素では消化しきれない食品中の難消化成分」です。タンパク質や糖質などの成分は、食べたら消化酵素で難なく消化され、小腸で吸収されます。しかし食物繊維は消化されないまま大腸に到達してしまい、便となって排出されるのです。繊維といっても、全てが糸のようになっているわけではありません。サラサラと水に溶けるものから、ネバネバドロドロのものまで、いろいろな種類があります。元来、食物繊維自体は栄養価値もなく、エネルギーにもならないまま排出されるだけの余分なもの、と考えられていました。しかし、食物繊維が多い食品は、「低カロリーの割にお腹が膨れて満腹感を得られる」という新たな価値が見出され、食べ過ぎの現代社会からダイエット食品として注目されるようになりました。近年ではダイエット効果だけにとどまらず、「それ以上の価値があるもの」として再び注目されはじめています。それが、今回取り上げる、「スーパー善玉菌のエサになる」点です。ここでは少し掘り下げて、「具体的にどんな食品を食べれば良いのか」までお話しします。食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類に分類されるのですが、スーパー善玉菌のエサとして優秀なのは水溶性食物繊維です。よって、食物繊維の中でも水溶性食物繊維を多く含んだ食品を食べるようにしましょう。水溶性食物繊維は食物繊維の中ではマイナーな存在なので、多く含まれる食品には限りがあります。その中でも日常生活に取り入れやすい食品を6つご紹介します。

ジャガイモ、 にんじん、 納豆、 海藻(わかめ、ひじき)、 キウイ、 りんご

まずはこれらの食品を積極的に食べてみることから始めて下さい。一般的に食物繊維というと、キャベツや玄米などを想像しますが、これらは不溶性食物繊維が多く、摂りすぎると便秘を悪化させることがあるので注意が必要です。
ちなみに、水溶性食物繊維を食品だけから十分量を摂取するのはかなり難しいです。上の食品群の補助としてサプリメントの使用を検討してください。

オススメは「グアーガム関連商品」
インド、パキスタン原産のグアー豆という水溶性食物繊維を大量に含んでいる植物が原料。
筆者のオススメは飲むグアーガム「リフリーラ」です

先ほど、プレバイオティクス=食物繊維+難消化性オリゴ糖という図式が成り立つ、と述べました。この先はプレバイオティクスの片翼を担う「難消化性オリゴ糖」について解説します。難消化性オリゴ糖も食物繊維と同じく、文字通り、人間の消化酵素では消化することが難しい糖類です。糖でありながら小腸で吸収することができず、そのまま大腸に届きます。名前に「糖」がついているため血糖値が心配という人もいるかもしれませんが、小腸で吸収されにくいという特性上、比較的安心して取り入れることができるでしょう。難消化性オリゴ糖は、大豆などの豆類・たまねぎ・ごぼう・アスパラガス・ブロッコリー・アボカド・バナナ・ハチミツなどに多く含まれていますが、必要十分な量を摂取するには…

オリゴ糖関連の商品を利用する方が効率的です。

オリゴ糖は腸内細菌の良質なエサとなります。
腸内環境を整え、便秘解消に役立つ善玉菌の数を増やします。
オリゴ糖は糖でありながら小腸でほとんど吸収されません。
そのためダイエット中の人にもおすすめ!!
オリゴ糖を食品から十分量摂取するのは非常に困難。
ぜひ商品を活用しましょう!
筆者のおすすめはカイテキオリゴです

プロバイオティクス

「プロバイオティクス(Probiotics)」とは1989年にイギリスの微生物学者フラー博士によって定義され、広く認知されるようになった考え方です。「適正な量を摂取したときに有用な効果をもたらす生きた微生物」のことをいいます。その代表例が乳酸菌などの善玉菌です。生きた善玉菌を直接腸内フローラに補充することで、腸内フローラのバランスを整えます。「いい感じ」の腸内フローラの中で、スーパー善玉菌に一層活躍してもらおう、という魂胆です。プロバイオティクスを摂取して、スーパー善玉菌をサポートしましょう。具体的には、ヨーグルト、ぬか漬け、納豆、キムチ、味噌、チーズなどの食品がおすすめです。

効率的に摂取したいのであればプロバイオティクスを豊富に含んだ商品を利用してみてはいかがでしょうか。
筆者おすすめは【善玉菌プレミアムダイエット】です。

便秘を良くするには「プレバイオティクス」と「プロバイオティクス」を食べればいいのね。

そのぐらいシンプルに考えても良いです。

【便秘解消ステップ3】腸内フローラを維持する

最後のステップです。育て上げた腸内フローラを「いい感じに保つ」方法について解説します。

悪玉菌が増殖しにくい環境に

便秘を解消し、腸内フローラを「いい感じ」に保つためには、悪玉菌が増えにくい環境を作ることが重要となります。そのカギとなるのが「弱酸性の環境」です。

弱酸性が鍵

腸内環境が弱酸性に保たれると、善玉菌は活発に活動し、悪玉菌は抑えられます。弱酸性の環境は、前述した「短鎖脂肪酸」が作り出すものです。短鎖脂肪酸は、スーパー善玉菌によって生み出されますから「スーパー善玉菌の数を維持できれば悪玉菌が繁殖しにくい環境になる」と言えるでしょう。

アルカリ性に傾くと悪玉菌が増える

一方、腸内環境がアルカリ性に傾くと、悪玉菌が増殖しやすくなります。そして悪玉菌が増えると、腸内でのガス生成が増え、便秘が悪化する原因になります。

腸をアルカリ性に傾ける食品

腸内をアルカリ性に傾けてしまう食品の代表格は高脂肪食です。脂肪たっぷりの肉料理や、脂っこい揚げ物、炒め物、ファストフードやスナック菓子、洋菓子が当てはまります。動物性脂肪を多く食べれば、動物性脂肪をエサにする腸内細菌が増え、動物性タンパク質を食べれば、動物性タンパク質をエサにする腸内細菌が増えるわけです。えてしてこのような腸内細菌は悪玉菌であり、腸内をアルカリ性に傾けてしまいます。もちろん、上記のような食事を全くしない、というのは現実的ではありません。まずは量を減らし、スーパー善玉菌にとって居心地の良い腸内環境を目指してください。

便秘から解放

今回は便秘を克服するための腸内フローラの育て方について解説しました。「育て方」というと少し難しそうな印象がありますが、ここまで一緒に学んできたあなたなら大丈夫です。やることはシンプルで、「プレバイオティクス」および「プロバイオティクス」を摂取し、「スーパー善玉菌」に活躍して貰えばいいだけです。ずっと昔からあなたのお腹の中に彼らは存在し、活躍の機会を待っていた。彼らスーパー善玉菌にgiveしてやってください。きっと、彼らは「便秘からの解放」という最高のtakeをしてくれるでしょう。

以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

注:本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の病状や症状、治療法に関する具体的な助言を提供するものではありません。具体的な医療的な質問や病状に関しては、必ず専門の医療従事者に相談してください。

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